食べるお宿 浜の湯 様

実は、もともと家業である宿を継ぐつもりはありませんでした。その当時は正直言って将来性のある宿ではありませんでしたし、父からも継がなくていいと言われていました。大学に入り、就職活動をしているタイミングで祖父から宿を継ぐよう言われて、嫌々戻ってきたんです。

もともと継ぐ気が無く、旅館の業務を何も知らない状態でしたので、父の知り合いの旅館で修行をさせてもらってから戻ってきました。当時は規模も小さく、建物もきれいとは言えない旅館で、旅行会社にも全く相手にしてもらえなかったので、実際に泊まってくれたお客さんにもう一度来てもらう以外に繁盛させる術がありませんでした。リピートしてもらうために、お客さんとの密なやり取りを意識した運営を心がけ、広告宣伝費は一切かけずに、その分、普通の旅館ができないような料理原価に全振りするやり方で勝負して、なんとか毎日満室を継続することができていました。これが”食べるお宿”の始まりです。

そこからお客さんの口コミで繋がっていき、1995年に22億円をかけて設備投資を行いました。その後も、リピーターの要望に応えたり、新鮮な感動を味わってもらうために、大体5年スパンくらいで数億円規模の設備投資を継続しています。

リピーターを中心にお客さんが来てくれていましたが、設備投資後客室数も増え、当時爆発的に売れていたじゃらんの雑誌広告から、新たにOTAを立ち上げたタイミングで集客のために掲載を始めました。そして、団体旅行向けの宿から個人客向け1タイプ1部屋路線にシフトし、いくつかのOTAに掲載をする中で、当時やり取りをしていたHPの制作会社から、サイトコントローラー『手間いらず』を勧めてもらい、複数のOTAを一元管理するために利用し始めました。

部屋タイプがたくさんあったので、導入前は客室在庫の管理が非常に大変でしたが、まとめて管理ができるようになったのでとても助かりました。

販売しているプランの料金コントロールは全て私が行っています。かれこれ20年も利用していますので、操作は手慣れたものです。

価格調整は、ベースの金額に対して割引割増設定でプラスマイナス何円という形で、シーズンごとに時間をかけずに簡単に作業できています。メインのコントロール画面で日毎にいくら上げ下げしているかの金額が表示されるので、後から調整する際にも分かりやすいです。

また、リピーター重視の宿運営のため、自社HPのみで販売する設定なども活用して戦略的に販売管理を行っています。そのため、直予約の比率が非常に高いです。OTAからの予約では直前でキャンセルされることも多いですが、土曜日なんかは直予約で埋まっていればそういったことも少ないんです。

サイトコントローラー『手間いらず』は、私にとっては切り離すことができない存在です。無いとお手上げになってしまいます。

数字を見ていれば、3ヶ月先が今の状態で、このあたりで着地するだろうなというのが分かります。ちゃんと管理ができているからこそ、そういった部分まで見えるので非常に助かっています。

浜の湯では、昔ながらの仲居さんの担当制や料理の部屋出しをしています。スタッフとお客さんの関係性が深く、その中で接客ができる喜びがあります。そこには無駄や非効率な部分がたくさんありますが、そこがお客様の喜びに繋がり、それが旅館で働く価値になると思っています。もちろんお客さんに直接関わらない部分の合理化・効率化はシステムで。

変わった形から関わり始めて旅館の運営をしてきましたので、ここまで来たら今後は影響力のある旅館になってみたいと思っています。昔ながらの旅館文化を継承してくれる宿が一軒でも増えていってほしいです。仲居さんとの会話や接点が、一番の旅の思い出になるようなそんな旅館を増やしていくために、サイトコントローラー『手間いらず』を活用して、今以上に業績を上げていかなければいけないと思っています。